2020年 公益財団法人 渡邉財団 バーチャル授与式
第1回海外留学助成(奨学金)・第26回磁気研究助成

特設サイトにようこそ!

  • 01オープニング(00:00)

  • 02理事長 挨拶(02:45)

  • 03名誉会長 メッセージ(06:15)

  • 04ノーベル賞受賞者 大村 智 先生 特別講演(09:30)

  • 05選考委員長 海外留学助成対象者 選考報告
       (1:01:30)

  • 06海外留学助成対象者 スピーチ(1:03:15)

  • 07選考委員長
    磁気研究助成対象者 選考報告(1:10:25)

  • 08磁気研究助成・岡井治特別助成対象者
    スピーチ(1:12:10)

  • 09エンディング(1:22:50)

コロナウイルス感染拡大のため、本年予定されておりました「第26回磁気研究助成金贈呈式」「第1回海外留学奨学生認定式」はやむなく中止となりました。そこで、当財団ではWEBサイトにおいて、バーチャル授与式を開催することと致しました。

 当財団 初となる「2020年渡邉財団 バーチャル授与式」では、ノーベル賞受賞者である北里大学特別栄誉教授 大村智先生の特別講演や海外留学助成対象者、磁気研究助成対象者のメッセージを配信しております。

海外留学助成対象者

対象者一覧はこちらから
  • 田中 將貴

    大阪大学大学院 医学系研究科
    脳神経外科学講座

    田中 將貴

    詳細はこちら

    閉じる

    田中 將貴

    大阪大学大学院 医学系研究科 脳神経外科学講座

    博士課程 田中 將貴

    留学先:マギル大学 モントリオール神経学研究所(カナダ)

    研究テーマ「てんかん患者の脳信号解析(脳波・機能的MRI同時計測の信号解析)」

    現在、カナダのモントリオール神経学研究所に留学しております。この研究所兼病院では、私はてんかん患者を対象にした脳波・fMRI同時計測(EEG-fMRI)のデータ収集とその解析とに従事しております。このEEG-fMRIという検査では、てんかん性の異常な脳活動を直接とらえる頭皮脳波検査と、高い空間分解能を持つ安静時fMRI検査とを同時におこなうことで、てんかん発作の焦点を正確に推定できることが期待できます。日本では普及がすすんでいないEEG-fMRIの解析手法を習得し、日本でのてんかん診療に役立てたいと考えております。

  • 三島 英換

    東北大学大学院 医学系研究科
    腎高血圧内分泌科

    三島 英換

    詳細はこちら

    閉じる

    三島 英換

    東北大学大学院 医学系研究科 腎高血圧内分泌科

    教員(院内講師) 三島 英換

    留学先:ヘルムホルツ研究所(ドイツ)

    研究テーマ「脂質酸化依存性細胞死フェロトーシスの実行責任分子および特異的検出マーカーの同定」

    生体内で細胞が死に至る過程において、複雑な制御機構を受けて細胞死は調節されています。中でもフェロトーシス(Ferroptosis)は脂質酸化依存性かつ鉄介在性の制御性細胞死の様式の一つであり近年世界的に研究の進展が進んでいる生命事象になります。このフェロトーシスは組織障害や神経変性疾患などの病態や抗がん剤感受性の機序への関与も報告されているため、フェロトーシスの制御はこれら病態の新規治療法や予防法につながることが期待されています。留学先のヘルムホルツ研究所(ミュンヘン、ドイツ)ではフェロトーシスの各病態への関与の解明について研究を行う予定であり、フェロトーシスと疾病の関与について今後さらなる発展につながることを目指しております。

  • 渡邊 瑞希

    京都大学大学院 医学研究科
    血液・腫瘍内科学教室

    渡邊 瑞希

    詳細はこちら

    閉じる

    渡邊 瑞希

    京都大学大学院 医学研究科 血液・腫瘍内科学教室

    医員(博士課程) 渡邊 瑞希

    留学先:フレッドハッチンソン がん研究センター(アメリカ)

    研究テーマ「造血幹細胞移植後の感染症制御と予防の戦略について」

    私は血液内科医として、血液のがんに対して行う「造血幹細胞移植」という治療に関する臨床研究を行っています。造血幹細胞移植は、患者さんの体内の血液の元となる細胞(造血幹細胞)を健康なドナーさんの造血幹細胞と入れ替えるという強力な治療方法です。移植治療の進歩と共に多くの患者さんが移植を受けられる様になりましたが、移植後は免疫力が低下するため感染症による致死率が高く、予防と治療が重要な課題です。留学先のFred Hutchinson Cancer Research Centerは造血幹細胞移植の先駆的業績で有名な施設であり、今回の留学では、特に「臍帯血移植」の臨床データの解析を予定しています。移植方法や感染症治療法の異なる国外施設との共同研究を通じて、移植後の感染症の治療及び予防の在り方を検討し、造血幹細胞移植をより安全で効果的な治療にするための新しい知見を得ることを目標としています。

  • 金子 昌賢

    メリーランド大学カレッジパーク校大学院
    情報・数学・自然科学研究科 コンピュータサイエンス専攻

    金子 昌賢

    詳細はこちら

    閉じる

    金子 昌賢

    メリーランド大学カレッジパーク校大学院 情報・数学・自然科学研究科
    コンピュータサイエンス専攻

    博士課程 金子 昌賢

    留学先:メリーランド大学カレッジパーク校大学院(アメリカ)

    研究テーマ「音響解析のための科学技術計算手法、仮想現実・次世代高臨場感通信のための立体音響技術」

    留学の目的は、既存技術を凌駕する世界トップクラスの音響シミュレーション技術、また次世代テレコミュニケーションのための新しい高臨場感立体音響技術を創出することです。計算機の高速化とともに、ものづくりにおけるCAE(Computer Aided Engineering)、シミュレーション技術の重要度は増していますが、その計算コストはさらなる普及の大きな障壁です。またテレコミュニケーション技術には長い歴史がありますが、今回のパンデミックによる在宅・遠隔での勤務・教育が明らかにしたように、対面コミュニケーションを代替しうるほどの高臨場感のテレコミュニケーションはまだ実現していません。将来の展望としては、留学先での研究を通して創出した技術や、留学を通して身に着けた知識やスキルを日本や世界のものづくりやテレコミュニケーションの発展に役立てていく仕事がしたいと考えています。

  • 串岡純一

    大阪大学大学院 医学系研究科

    串岡 純一

    詳細はこちら

    閉じる

    串岡純一

    大阪大学大学院 医学系研究科

    博士課程 串岡純一

    留学先:スタンフォード大学医学部(アメリカ)

    研究テーマ「組織工学的手法による幹細胞を用いた骨再生治療法の開発」

    骨組織は古い骨が吸収され新たな骨が形成されるリモデリングと呼ばれる現象により構造が維持される自然修復能の優れた組織です。しかし、今後より一層の高齢化社会が進行することにより、骨粗鬆症を基礎疾患とした難治性の骨折が増加することが予想されます。大きな骨欠損や生物学的活性が乏しい難治性骨折に対しては、従来法では治療に難渋します。そこで近年、再生医学を応用した骨再生が期待されています。留学先では難治性骨折・骨欠損に対して幹細胞と人工骨を組み合わせた再生医療による低侵襲かつ有効性の高い新規治療の開発研究を行います。将来的には産学連携を通じて、新規骨再生治療法としての臨床応用や産業化へ取り組みたいです。

  • 西山 雄一郎

    慶應義塾大学 医学部 整形外科学教室

    西山 雄一郎

    詳細はこちら

    閉じる

    西山 雄一郎

    慶應義塾大学 医学部 整形外科学教室

    研究員 西山 雄一郎

    留学先:メイヨークリニック 神経科(アメリカ)

    研究テーマ「慢性期脊髄損傷に対する硬膜外刺激療法による有効性の検討」

    脊髄損傷とは、外傷などによる脊髄実質の損傷を契機に、損傷部以下の知覚・運動・自律神経系の麻痺を呈する病態であり、我が国では、全体で15万人以上もの脊髄損傷患者がおり、さらに毎年約5000人の新規患者が発生しています。集学的医療の進歩により、脊髄損傷患者の平均余命は健常者と変わらなくなってきましたが、生じた麻痺に対して、リハビリテーションや装具を用いて残存した機能を活用していて、未だに根本的な治療が確立されていないのが現状です。 欧米では、慢性期脊髄損傷に対する硬膜外電気刺激治療の有効性について研究されており、その有効性も報告されています。 本留学では、そのメカニズムを解明することや、より効果的な治療法の研究を行い、多くの慢性期脊髄損傷患者さんの一助になれるよう努力する所存です。

  • 吉川 容司

    福岡歯科大学 総合医学講座

    吉川 容司

    詳細はこちら

    閉じる

    吉川 容司

    福岡歯科大学 総合医学講座

    教員(助教)  吉川 容司

    留学先:ワシントン大学 内科学(アメリカ)

    研究テーマ「β1インテグリンによる血液脳関門のシグナル伝達及びタンパク質発現制御機構の検討」

    私の研究テーマは血液脳関門の視点からの脳梗塞の新規治療の探索です。脳梗塞急性期には血液脳関門が破綻し血管透過性が亢進することによって、脳実質への炎症細胞浸潤や脳浮腫を来たし脳傷害が増悪することが知られています。そのため血液脳関門の保護は脳梗塞急性期の治療標的として期待されていますが、治療法は未だ確立しておらず精力的な研究が進められている重要な研究領域です。留学先であるワシントン大学del Zoppo研究室は虚血による血液脳関門破綻の機序の解明を行ってきた研究室で, 14TのMRIを用いて微細な脳梗塞急性期の組織変化を捉えており、血液脳関門破綻の新たな知見を得ています。本研究を通じて血液脳関門破綻の病態を解明し、将来的に血液脳関門を保護する脳梗塞の新たな治療戦略の可能性を見出し急性期治療に繋げたいと考えています。

  • 森谷文香

    東京大学大学院 工学系研究科
    精密工学専攻

    森谷 文香

    詳細はこちら

    閉じる

    森谷文香

    東京大学大学院 工学系研究科 精密工学専攻

    修士課程 森谷文香

    留学先:ペンシルバニア大学  ペレルマン医学部(アメリカ)

    研究テーマ「海馬での成体神経新生が記憶・学習に与える影響の組織レベルでの解明」

    記憶・学習を担う部位である海馬は、成体脳内においても神経細胞の新生が生じる特徴を持ちます。多数の行動実験からは新生神経細胞と記憶・学習の関連に対し一貫しない結果が得られ、詳細な機能は不明です。そこで私は、神経回路網単体レベルというミクロなスケールに着目し、新生神経細胞が学習に与える影響を調べてきました。しかし、実際の脳は神経回路網が組み合わさり複雑な情報処理を行います。そこで、ミクロなスケールから行動実験レベルのマクロなスケールへと研究を繋げるため、幅広いスケールを対象とし、海馬での新生神経細胞の研究に対し強みを持つ研究室への留学を志望しました。留学先では、神経回路網が構造化した海馬のスライスにおいて、新生神経細胞が学習に与える影響を解明する予定です。これにより、神経回路網の構造化に伴う新生神経細胞の影響の変化が明らかになり、新生神経細胞と学習の関連の全貌の解明に繋がると考えています。

  • 岡井 治 特別助成対象者

  • 藤田 幸

    大阪大学大学院 医学系研究科
    分子神経科学

    藤田 幸

    詳細はこちら

    閉じる

    藤田 幸

    大阪大学大学院 医学系研究科 分子神経科学

    准教授 藤田 幸

    研究テーマ「中枢神経障害に対する磁気刺激の治療的効果の検証」

    この度は研究助成を賜り、渡邉財団関係者の皆様、先生方に感謝申し上げます。また、岡井治特別助成受賞者として採択していただけたこと、厚くお礼申し上げます。 私は脳や脊髄などの中枢神経回路の形成と修復のメカニズム解明を目指して研究を進めています。中枢神経系は損傷や疾患などで、回路が途切れてしまうと、修復が困難です。今回、貴財団の助成に採択していただけたことを励みに、ますます力を入れて研究に取り組み、この難しい課題の解明を目指したいと考えます。 今後ともご支援とご指導を宜しくお願い申し上げます。

海外留学助成
応募要領はこちらから
渡邉財団

ノーベル賞受賞者
大村 智先生 特別講演

「古くて新しいエバーメクチン物語」

大村智先生

北里大学特別栄誉教授

大村 智先生

  • 微生物の生産する有用な天然有機化合物の発見を目指して独創的な研究を推進し、500種余の化合物を発見。そのうち、26種が医薬、動物薬、農薬、および生化学研究用試薬として広く使われ、感染症の治療・撲滅、生命現象の解明などに貢献している。特に抗寄生虫薬イベルメクチンは熱帯病のオンコセルカ症およびリンパ系フィラリア症の他、糞線虫症、疥癬の予防・治療薬として年間4億人余に使われている。 以上のように人類の健康と福祉の向上に多大な貢献をしている。「線虫感染症の新しい治療法の発見」により、2015年ノーベル生理学・医学賞および文化勲章を受賞した。また、美術を愛好し、郷里の山梨県韮崎市に韮崎大村美術館を建設、収集していた2,000点余の絵画、陶器及び彫刻等と共に韮崎市に寄贈した。

  • (略歴)

    1935年山梨県韮崎市生まれ

    1958年山梨大学学芸学部自然科学科卒業、
    東京都立墨田工業高等学校教諭

    1963年東京理科大学大学院理学研究科
    修士課程修了、山梨大学文部教官助手

    1965年(社)北里研究所入所

    1975年北里大学薬学部教授

    1990年(社)北里研究所理事・所長

    1997年(学)女子美術大学理事長(兼)

    2013年北里大学特別栄誉教授(~現在)

    2015年(学)女子美術大学名誉理事長(~現在)

  • (主な栄誉)

    1990年日本学士院賞

    1997年ロベルト・コッホ ゴールドメダル(ドイツ)

    1999年米国国立科学アカデミー外国人会員

    2001年日本学士院会員

    2013年文化功労者

    2014年カナダ・ガードナー国際保健賞

    2015年ノーベル生理学・医学賞、文化勲章

    2018年英国セント・アンドリュース大学
    名誉理学博士

講演要旨

古くて新しいエバーメクチン物語

抗寄生虫抗生物質エバーメクチンは、1975年に米国メルク社との国際産学連携研究で発見された。そのジヒドロ誘導体イベルメクチンは、当初は動物用に開発されたが、1987年にヒトの重篤な熱帯病、オンコセルカ症の予防と治療に使われ始め、次いで2000年にはリンパ系フィラリア症にも適用され、2つの熱帯病の撲滅作戦に多大な成果を挙げている。引き続いて糞線虫症、疥癬の特効薬として次々と適用されるようになり、さらには2012年頃からは抗腫瘍活性、抗フラビウイルス活性が見い出され、最近ではCOVID-19への適用が話題となっている。

磁気研究助成対象者

対象者一覧はこちらから
  • 永井 隆

    名古屋市立大学大学院 
    医学研究科 腎・泌尿器科学分野

    永井 隆

    詳細はこちら

    閉じる

    永井 隆

    名古屋市立大学大学院 医学研究科 腎・泌尿器科学分野

    大学院生 永井 隆

    研究テーマ「前立腺特異的膜抗原抗体を用いた新規マグネタイトナノ粒子による転移性前立腺癌の診断的治療法の確立」

    私の研究テーマは前立腺特異的膜抗原抗体を用いた新規マグネタイトナノ粒子による転移性前立腺癌の診断的治療法の確立です。 私たちの施設では泌尿器科癌に対する温熱療法研究に以前から取り組んできました。中でも前立腺癌に対して磁性ナノ粒子を注入し磁場照射を行うことで癌温熱療法を行うことを目的としてきました。しかし磁性ナノ粒子を腫瘍組織へ到達させる方法が課題の一つでした。そこで今回の研究では、磁性ナノ粒子を腫瘍組織へ集積させるために前立腺特異的膜抗原に着目し、前立腺特異的に磁性ナノ粒子を集積させることを発案しました。具体的にはカーボンナノホーンという炭素からなる物質をキャリアとして磁性ナノ粒子および核標識物質を内包させることで、転移性前立腺癌の核医学的診断と温熱治療を同時に行うことを目指します。

  • 辻田 麻紀

    名古屋市立大学大学院 医学研究科

    辻田 麻紀

    詳細はこちら

    閉じる

    辻田 麻紀

    名古屋市立大学大学院 医学研究科

    講師 辻田 麻紀

    研究テーマ「ABCA1を介した細胞コレステロール搬出機構への磁場効果」

    この度は第26回磁気健康科学研究助成課題として本研究テーマを採択いただきました事感謝いたします。この場をお借りいたしまして渡邉財団の理事長はじめ関係者の方々に深く御礼申し上げます。私が25年以上研究を継続しておりますのがHDL(所謂"善玉コレステロール")の新生反応であります。この現象は分子レベルでは細胞膜に局在するABCA1トランスポーターを介した細胞内コレステロールの搬出機構であり、今回の研究課題はその磁場の効果に取り組むものです。磁気の領域は新規領域でございます。今後ともご指導ご鞭撻の程どうぞ宜しくお願い申し上げます。

  • 岡 芳美

    大分大学 全学研究推進機構

    岡 芳美

    詳細はこちら

    閉じる

    岡 芳美

    名古屋市立大学大学院 医学研究科 腎・泌尿器科学分野

    助教 岡 芳美

    研究テーマ「合成生物学的アプローチによるDNA光修復反応に対する磁場の影響評価」

    私の研究は、フラビンタンパク質の磁気機能の解明についてです。必要最小限のユニット分子系を人工的に合成して機能発現を評価するというアプローチをとっています。近年は、渡り鳥の磁気コンパス(フラビンタンパク質の一種、クリプトクロム)のモデル化に着目して研究を行ってきました。今回の研究では、(フラビンタンパク質の一種)フォトリアーゼによってDNAが修復される際の磁場影響について分子化学的に明らかにすることを目指します。助成をいただき、より健康増進や医療技術に役立つ可能性を探ることを念頭に、研究に励みたいと思っています。

  • 岡本 行広

    大阪大学大学院 基礎工学研究科
    物質創成専攻 化学工学領域

    岡本 行広

    詳細はこちら

    閉じる

    岡本 行広

    大阪大学大学院 基礎工学研究科 物質創成専攻 化学工学領域

    准教授 岡本 行広

    研究テーマ「細胞膜の分子認識に対する磁場効果の解明~分離材料から細胞治療まで~」

    私は化学の人間であり、一貫して『分離』をキーワードに研究を行ってきました。このため、細胞を分離材料として見た場合、細胞は巧みに分子認識の制御をおこない、高い分子認識能を示す優れた材料と思えます。しかし、細胞自体を分離に適用するためには制限が多く、実用的ではありません。そこで、認識に関与している細胞膜を分離場として活用できないかと注目したわけです。しかし、細胞膜自体は生きていませんので、細胞のように分子認識を自在に制御できないということになります。 ところで、細胞膜のような分子集合体への磁場効果に関しては、変形・融合・分裂など様々な事例が報告されており、この磁場効果により分子認識能の制御を実現可能では?という仮説の実証が私の研究目的であります。チャレンジングな研究となっておりますが、失敗を恐れず、本成果を持って『分離科学』ならびに「磁場科学」への貢献を目指したいと思います。

  • 鈴木 信雄

    金沢大学 環日本海域環境研究センター

    鈴木 信雄

    詳細はこちら

    閉じる

    鈴木 信雄

    金沢大学 環日本海域環境研究センター

    教授 鈴木信雄

    研究テーマ「魚のウロコ(骨モデル)を用いた磁場による骨形成機構の解析:渦電流による新規機構の解明」

    磁場が骨組織に作用して、骨形成を促すことは報告されており、その研究成果は国内外で発表されています。しかしながら、磁場の骨形成を促す機構については不明な点が多いという現状です。生体内(in vivo)での骨形成を詳細に調べることができる試験管内(in vitro)でのモデルシステムの欠如により、研究が進んでいない現状にあります。そこで私は、魚類のウロコに注目しました。魚類のウロコには、骨を作る細胞(骨芽細胞)と骨を壊す細胞(破骨細胞)があり、ヒトの骨と同じような細胞が存在します。このウロコを用いて国際宇宙ステーションを利用した宇宙実験を実施して、微小重力による骨の応答を解析済です。超音波による骨形成も解析済です。本研究では、物理的刺激に感度よく応答する魚のウロコを用いたin vitroの培養系により、渦電流の作用を詳細に解析する予定です。

  • 藤原 正澄

    大阪市立大学大学院 理学研究科

    藤原 正澄

    詳細はこちら

    閉じる

    藤原 正澄

    大阪市立大学大学院 理学研究科

    講師 藤原 正澄

    研究テーマ「神経磁場3次元定量計測による線虫の温度感受性メカニズムの解明」

    私の研究は1細胞レベルで温度と磁気を同時計測する顕微鏡技術の開発です。赤い蛍光を発するダイヤモンドのナノ粒子にマイクロ波を当てると、光特性が温度と磁気に対してそれぞれ異なる変化を示します。これを使えば超高感度に温度と磁気をナノスケールで測定できます。このダイヤモンドナノ粒子を線虫の神経細胞に導入し、線虫が温度を感じて走る温度走性に関する神経ネットワークの研究に展開します。

  • 浜崎 亜富

    信州大学 理学部 理学科学コース

    浜崎 亜富

    詳細はこちら

    閉じる

    浜崎 亜富

    信州大学 理学部 理学科化学コース

    准教授 浜崎 亜富

    研究テーマ「医療応用のための高周波パルスマグネットの開発」

    パルス磁場や交流磁場など,非定常的な磁場を用いた治療法は,経頭蓋磁気刺激やハイパーサーミアなどに知られます。実際に磁場を生体内で作用させるためには,コイル中心には患部に暴露される数倍から数十倍の磁場を発生させなければなりません。特にハイパーサーミアでは数十ミリテスラの高周波の磁場を印加して磁性微粒子を加熱することを想定していますが,実際の患部が表層付近にある場合を除いて,数十ミリテスラの磁場を印加し続けることは,電源容量や発熱の問題から簡単ではありません。 私は10年余りに渡りパルス磁石の回路設計を行っています。その過程で,高速変調が可能な回路の構築に成功しました。従来の交流電源よりもエネルギーロスを抑えられるので,同じ電源容量ならばこれまでと比べて強い磁場を発生させられます。今後,電源容量を増大させて磁場発生の特性などを研究し,医療応用に相応しい高周波の強磁場発生を目指します。

  • 篠原 もえ子

    金沢大学 医薬保健学総合研究科 認知症先制医学

    篠原 もえ子

    詳細はこちら

    閉じる

    篠原 もえ子

    金沢大学 医薬保健学総合研究科 認知症先制医学

    特任准教授 篠原 もえ子

    研究テーマ「脳磁図を用いたLewy小体型認知症の視覚情報処理障害の検出と早期診断マーカーとしての有用性」

    Lewy小体型認知症(DLB)は認知症のおよそ20%を占め、アルツハイマー病に次いで2番目に多いとされています。Lewy body disease(LBD)はLewy小体の存在を特徴とする病態のすべてを包含する疾患概念で、DLBのほかにパーキンソン病なども含まれます。今回の研究ではLBD患者の視覚情報処理障害にかかる脳経路について脳磁図を用いて評価し、DLBの早期診断やアルツハイマー病との鑑別における脳磁図の有用性を検証することを目的とします。DLBとアルツハイマー病を早期から鑑別できれば、DLBの適切な疾患マネジメントが可能となるほか、誤診を防ぐことで医療・介護負担の軽減が期待されます。本研究により幻視をきたすメカニズムの解明にも寄与できる可能性があります。

  • 足立 善昭

    金沢工業大学大学院 工学研究科
    高信頼ものづくり専攻

    足立 善昭

    詳細はこちら

    閉じる

    足立 善昭

    金沢工業大学大学院 工学研究科 高信頼ものづくり専攻

    教授 足立 善昭

    研究テーマ「低周波磁場測定を応用した脊髄手術に適した手術ナビの研究開発」

    金沢工業大学と東京医科歯科大学は医工連携の共同研究として生体磁場計測を応用した脊磁計と呼ばれる脊髄機能診断装置の開発に長年取り組んできました。一方で、脊磁計で使われている磁場源解析の技術を応用すれば、脊髄の手術に使いやすい手術ナビが作れるのではないかと新たな医工連携共同研究のアイデアを温めていました。生体磁場と同様の帯域の低周波の磁場は身体組織を透過するので、光学マーカーを使った手術ナビのような手暗がりの問題がありません。また、術野の直近にセンサや発振コイルを配置することで、金属部品の存在による妨害を受けにくい使いやすい手術ナビができると期待しています。今回、ARと医用画像に強い先生にも加わってもらうことで「磁場計測技術(ハードウェア)」「拡張現実技術(ソフトウェア)」「臨床的知見」の開発に必要な3つの要素が揃いました。いただいた助成金で早期の実用化につながる試作機の開発を目指します。

  • 佐藤 和秀

    名古屋大学高等研究院 医学研究科
    病態内科学講座 呼吸器内科学

    佐藤 和秀

    詳細はこちら

    閉じる

    佐藤 和秀

    名古屋大学高等研究院 医学系研究科 病態内科学講座 呼吸器内科学

    S−YLC特任助教  佐藤和秀

    研究テーマ「新規生体透視ナノイメージングを可能とする磁性ナノ材料開発研究」

    私の研究は、近年開発が進められている第2近赤外領域の蛍光をもち、かつ磁性を持つハイブリッド型ナノ材料を新規開発し、生体応用を行うものです。本材料を開発して生体適応を行えば、これまで描出できなかった病態を明らかにすることが可能と期待できます。未来の新規診断に応用できる材料の開発を行いたいと思っております。

磁気研究助成
応募要領はこちらから
渡邉財団

ご相談からご質問まで
お気軽にお問い合わせください